加害者更生プログラム52週修了者体験談(M.Kさんのケース)
ステップの加害者更生プログラムに52週通ったM.Kさんから、体験談をいただきましたので皆様に紹介いたします。
※M.Kさん一家は海外に住んでおりましたが、DVが原因で別居となり、ステップのDV加害者更生プログラムを学ぶため一時帰国。その後はスカイプを用いて継続的に学び、再帰国後は更にステップで計52回学び続けられました。
奥様からの声はこちら
私のしてきたDVは、奥さんの人格をじわじわと蝕んで奥さんに「自分自身に価値がない、私は大切にされなくて良い存在なんだ」と味わわせるようにして生きる活力を失わせて、自分の思い通りに動かなければ価値ないよという思いにさせ、コントロールするという行為でした。
家族なのに奥さんのことを全く大切にしない、ぞんざいに扱って良い相手だとして接していました。
また、奥さんと激しく口論になり、取っ組み合いになった時に相手を突き飛ばしたり、子供と奥さんの目の前で物にあたって、車の鍵を地面に叩きつけたり、ハンガーを床に叩き付けて、壊したりフィジカルの暴力もしてきました。
これら全てのDV行為は自らが選択して行った行為だと、ステップで学び、私がなぜDV行為をするようになったのか、その原因を突き止めようと模索していきました。
私の場合はその原因は両親が多大な影響を与えているということが分かってきました。
「毒になる親」という本を読み、私の両親は性的虐待の項目以外ほぼ全て当てはまっていたのです。
小学校3年生の時に転校をして、毎日鉛筆を折られるようないじめを受けて最終的に親のお金を盗んで友達にそのお金を渡すというところまでいきました。
その状況が私の両親に伝わった後の両親の反応は、いじめられていた私の心に寄り添うのではなく、父親がそろばんで殴りかかってくるという体験をしました。そして、その後も色々あるのですが、私は両親には本質のところ逆らえず、完璧なるマザコンになっていきます。
その関係は大人になっても変わらず、奥さんへのDVとなって発展していきます。
私の両親、特に母親はから猛烈な反対を受け、奥さんとの結婚に親への罪悪感を抱いて生活していました。また、結婚後も、執拗に奥さんの至らないところとして母親から批判を聞いてきました。
私はその思考をそのまま受け継ぎ、最終的には自らも奥さんを批判するように選択していきました。そこで私は、奥さんへの批判と私への批判を一つずつメールを掘り起こしてどこが現実とずれていたのか、両親の思考回路はどうだったのか、私はどのように考えていたのか、そして正しいのは何なのか、直さなければならないところは何なのかを一つ一つしらみつぶしにしていきました。
私の両親から受けてきた歪んだ思考を理解してきた後に今度は私と私の両親が犯してきた奥さんへのDV行為を一つずつ先程と同じような目線で両親の思考回路はどうだったのか、私はどのように考えていたのか、どのような歪んだ思考回路だったのか、そして正しいのは何なのか、直さなければならないところは何なのかを向き合ってきました。
やっと自らのおかした行為に対してどんな罪深きことをしたのかを理解し、奥さんにきちんとした謝罪をして、私の両親からの脱却と奥さんはもう私の旧姓を名乗りたくない、息子にも名乗って欲しくないということで、姓も変更した上で、同居となりました。
ステップで学んだ一番の大きいことは家族が一番でどれだけ家族を大切に想えるか、どれだけ奥さんや家族の味方でいられるか、奥さんには奥さんにとって誰よりも安心できる最強のパートナーとして想ってもらえるような存在になりたいと思えるような自分に変わったことだと思います。
奥さんは「家族が一番」を実行しています。私はまだそのようになりたいと思えるようになっただけで、まだまだ完全に変われていません。今でも、奥さんと息子に一生の傷となる思いをさせて、奥さんには灰になっても良いという覚悟をさせた、奥さんの人格を奪った、一番信頼していた人から裏切られた傷を与えてしまったと理解はしているけども、この意味を本当に自分の中で理解できているのかは、今でも疑問に思う時があります。
なので、これからも変わったと○にすることはなく、何か失敗をしたのであれば、きちんとそれから逃げずに向き合って、一生然るべき変化をし続けていきます。
最後に理事長、ステップの皆さんには変化の気づきを沢山頂戴しまして、本当に感謝しております。ありがとうございます。
皆さんのおかげで、ここまで変化できてきたと思います。理事長の発信されている加害者も変化できるということを声を大にして、私も賛同したいです!!!
理事長を信じて変化を自らが求め、行動すれば、変化は必ず起きます!!!